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有森さんの写真4枚。左から外国の子供たちと有森さん、マラソン大会で大勢のランナーと走る有森さん、視覚障がい者を伴走する有森さん、有森さんの顔写真
NTTクラルティ10周年記念企画

有森裕子さんにきました

盲人マラソンのこと、
障がいのこと、
オリンピック・パラリンピックのこと。

マラソン・バルセロナオリンピック銀メダル、アトランタオリンピック銅メダルに輝くアスリート・有森裕子さん。現在はNPO法人「ハート・オブ・ゴールド」の代表理事として、カンボジアの地雷で足を失った人々の支援を行っています。また日本盲人マラソン協会理事や、知的障がいのある人たちのオリンピック・スペシャルオリンピックスの活動にも関わるなど、障がい者スポーツとの関わりも深いです。茨城県で行われる「かすみがうらマラソン」では毎年伴走をしています。視覚障がい者マラソンを楽しむ弊社社員が、有森さんに話を聞きました。

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2回の出場で考えた、オリンピックの意味

聞き手:「不便さを抱えた人」に、できる人ができることをする。そんな自然な共生のイメージが、有森さんのお話からはうかがえます。そのような考え方はどこで身につけられたのでしょうか。

有森:見えなければ、代わりに伝えてあげよう、気づかなければ、気づいてもらうように自分が動こう、できていなければできる人がやろう、してあげよう。これって、障害がある、ないは関係ないんです。棚の上のものを子どもが取ろうとするけど取れない、だからお父さんが取ってあげる。持ってない人に持っている人が手を貸す。これが最初なんです。できる人は、できることをできない人にやってあげる。それが感覚として身につけば、あとはただ対象が変わるだけなんですよ。うちはたまたま母が、養護施設の隣の看護学校の事務をしていたので、障がいのある人たちとの交流は当たり前にありました。だから、子どものうちからそういう考えが身についていましたね。
やっぱり、子どものうちからですよ。知ってました?車いすって、小学生に見せると最強のマシーンなんですよ。だから「足の悪くない人も乗っていい」って思うんですよ。障がいのある人が乗ってるものじゃないんです。そういうことを伝えていかないとだと思います。

聞き手:私が障がい理解研修で小学校に行った時、子どもたちに白杖を見せると「おお、かっこいい」という反応でした。自然に受け入れてくれるというのでしょうか。それで、研修の最後に「目が不自由な人を見たら、自分は声をかけられないけど、信号のところで押しボタン押してあげたい」と言ってくれた子がいました。

有森:それをどれだけ引き出せるかですよね。大人に言ってもなかなか変わらないので、子どもに働きかけた方が絶対に根付くものになると思います。2020年は、アスリートを育てるだけじゃないんだと思います。オリンピックって、単体で存在するわけじゃなくて、社会に役立つものとして存在しているんです。オリンピックが生むものが、ものすごく社会に影響するから、今を生きる人間に影響するから、続いているんです。オリンピックは単なる手段なんです。社会がもっと良くなるための手段。

聞き手:実際に2度も出場して、メダルを手にした方が、そうおっしゃることは重みがあります。

有森:バルセロナ1回だけの出場で終わっていたら、もしかしたらそう思わなかったかもしれないです。バルセロナの時には湾岸戦争がありました。世界がドタバタしていて、当時はオリンピックだけ、スポーツ大会だけで見るものではなかったときでした。出場できなかった選手がいて、国があって、もちろん、すべてのオリンピックがそうだったんですけど、いろんな社会問題をはらんでいましたね。アトランタの時は、テロが起こって、2度のオリンピックの後、社会に何が残ったのか、オリンピックってなんだったのか、メダリストになったから、なんなんだろうって、考えさせられました。

聞き手:オリンピック・パラリンピックを開く意味は、私たちが自ら作っていかなければいけないのかもしれませんね。

有森:オリンピックって、みんなが思うほど、全面的に肯定されるものじゃないかもしれないです。でも、トータルで見た時に、絶対にいいものを残しています。プラスの効果があると、それは信じています。あれほどお金も時間も人もかかるものはないです。経済効果があるって言いますけど、ある部分においては、それに見合った犠牲も払っていると思います。自分の経験上、そういう感覚を持たざるを得ませんでした。だからこそ、社会がもっと良くなるように、オリンピックをいい意味で利用していかなければと、そう思います。

聞き手:2020年の東京オリンピック・パラリンピックをきっかけに、社会が良い方向へ変わるとうれしいですね。当事者として、関わっていくことができたらと思います。
どうもありがとうございました。

聞き手と有森さん

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