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運営会社について

「ゆうゆうゆう」は、NTTが障がい者の雇用促進を目的に設立した「NTTクラルティ株式会社」によって運営されています。

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障害があるからといってできないことは少ない 3/4

写真:会社のことを語る井上さん

聞き手:

現在、井上さんはどういう業務に携わっているのですか?

井上:

業種はシステムエンジニアで、システム開発が主になります。 こちらはコンピュータ専業の会社ではないので、導入機器の選定、システム設計、コーディング、テスト、ユーザー教育などを個別に担当するスタッフはいません。ですからそれらを横断的にこなせる幅広い知識を必要とされます。 私が入社して最初に携わった本格的な仕事は、社内ネットワークの構築です。 たまたま、これは私の専門分野だったので非常にやりやすかったです。

最近では、全社で導入された勤怠システムの一部を開発しました。 門のところにタイムレコーダがありまして、出社退社時に社員がカードを通しますと時間が記録されます。そのデータをパソコンに取り込み、給与計算に必要な加工を行い本社に送るようなシステムです。

聞き手:

誰にでも使いやすいシステムをつくらなければいけないと思いますが、何か工夫していることはありますか?

井上:

特に画面やメニューのレイアウト設計では、より視覚的にわかりやすいものが求められ、色使いや配置場所が大切な要素になります。 ここで困るのが色なのです。 私の病気は先天性なので、実際に色を見たことがないわけです。 知識として、「血は赤い」ということはわかっていても実際に「赤はどんな色」というイメージがないのです。 そうするとどの色とどの色を組み合わせれば見やすい配色になるのかといったことがわからないのです。 ですからそんなときはまず適当に自分で案を作り、周りの人に配色や写真の位置などを確認してもらいながら仕上げています。

写真:はにかみながら語る井上さん

聞き手:

会社に入られて、社内でのコミュニケーションはどうでしたか?

井上:

この会社で視覚に障害のある人を採用するのは初めてだったので、私の入社前に、職場で視覚に障害のある人との基本的な接し方を解説したビデオを見たという話を聞きました。 それ以外は「入社してきてから考えればいいや」という感じで、それほど重くとらえていなかったようです(笑)。 入社後最初のうちは、周りの人たちも私とどうやって接したらよいのかわからないというのがありありと感じられました。皆さんもどうしたらよいのかを考えてくれているわけですから、こちらも自分でできることはどんどんやり、積極的に職場の一人一人と話すことを心がけ、それを続けているうちにというか、ノミニケーションしているうちに(笑)、自然にコミュニケーションできるようになりました。 これは自分ひとりでできる、これはこことここを手伝ってもらえればあとは一人でできる、これは一人では難しいので手伝って欲しいというふうに、こちらからわかりやすいように伝えることがポイントだと思います。

聞き手:

いろいろな面で活躍されていますが、その原動力はなんでしょうか?

井上:

変な話ですが、視覚障害者になってしまった以上はもうどうしようもないんですよ。 私が働く情報処理業界にも、当然いくらでも健常者の人材がいるわけです。 スキルが同じ健常者と障害者がいたとすると、現実問題障害者の居場所なんかありません。 そんな中で自分の仕事を確保し、かつ、質の高い仕事をし続けて行くということは、本当に大変なことなのです。私はいつもこういう危機感を大切にしています。 「たまたま三菱マテリアルという会社でシステム開発をしているスタッフの一人が目が見えなかった」というだけです。別にそれだけなのです。「目が悪いのに凄いね」って言われるのが一番嫌なのです。 仕事の質にこだわって、しっかりとした仕事をしたいのです。 ようは、ただの負けず嫌いなのですよ(笑)。 諦めるのは簡単なことで、いつでもできるのです。 どこで諦めるかだと思うのですが、諦めたときが私がこの業界で仕事をできなくなるときだと思ってますから。


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