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1.弁護士の仕事と視覚障がい

2012年11月13日掲載

みなさんはじめまして。 私は、2006年に全盲で3人目の弁護士として司法試験に合格し、現在、東京の渋谷にある「渋谷シビック法律事務所」に勤務しています。
1年間の司法修習の後、弁護士となってから、早いものでもうすぐまる5年になります。 まず、全盲の弁護士である僕が日々、どのような工夫で執務しているかについてお話します。

写真:大胡田弁護士がパソコンにむかっている様子

僕の現在の仕事に欠くことのできないものの一つは、PCの画面読み上げソフトです。
僕は、これを用い、アシスタントがスキャナという機械を使ってデータ化してくれた訴状などの書面等を読み(聞き)、判例の調査や文書作成などを行います。
何かの折に、他の弁護士やスタッフなどに読み上げソフトの音声を聞かせるとその速さに驚かれることがあります。 また、事務所が専任として付けてくれているアシスタントのサポートも僕の仕事には不可欠です。

例えば、活字の書面をスキャナを使って僕にも読む(聞く)ことのできるテキストデータに変換してもらったり、データ化が困難な図表やグラフ、写真等を言葉で説明してもらうといった、いわば机の上の作業から、刑事事件の接見、公判等への同席、参考資料のリサーチの手伝いまで、アシスタントは様々な場面で僕の仕事を支えてくれており、控えめに言っても八面六臂の仕事振りです。
アシスタントである彼女は、「被疑者の方はなかなかのイケメンで、接見の終わりには深々とお辞儀をされていました」など 僕が気づくことのできない視覚情報を折に触れて伝えてくれます。 そのような情報が依頼者や相手方の人柄、内面を知る手がかりとなったりもします。

このようにして、これまでに民事、刑事を合わせて200件を超える相談や事件処理に携わってきて、ある程度仕事への自信もついてきましたが、まだまだ未熟な点も多く、先日も、僕の所属する「渋谷シビック法律事務所」の所長弁護士から、「桃栗3年というが、大胡田さんは柿だったか、はっはっは。」と、エスプリの利いたご指導いただいてしまいました。
まあ、僕の傷心はさておくとして、コラムでは、全盲の弁護士がどのように仕事をしているかや、僕が日々考えていることなどをお伝えできればと思います。

プロフィール

写真:大胡田弁護士の顔写真

大胡田 誠/おおごだ まこと
1977年静岡県生まれ。
先天性緑内障により12歳で失明する。
筑波大学付属盲学校の中学部・高等部を卒業後、慶應義塾大学法学部を経て、慶應義塾大学大学院法務研究科(法科大学院)へ進む。
2006年、8年に及ぶ苦学の末、5回目のチャレンジで司法試験に合格。
2007年から渋谷シビック法律事務所に在籍
趣味はランニング。
2009年にニューヨークシティマラソン完走。


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