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1.『迷い』-ALS(筋萎縮性側索硬化症)の告知

2008年11月4日掲載

コラムを書くにあたり

皆さんはじめまして、私は千葉市在住のALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の舩後靖彦(ふなごやすひこ)と申します。これからの4回、どうか宜しくお付き合い下さいませ。お願い申し上げます。

実は、わたくしめこの夏、目しか動かせない全身麻痺のやからにもかかわらず、『泉鏡花文学賞』受賞作家の寮美千子先生の全面協力を得、小学館さんから『しあわせの王様』と題した本を出版させて頂きました。鼻高々なる出版と申し上げたきところですが、殆どは作家である私の短歌のお師匠さんが、私が書いた(私は喋ることができません)資料や私の知人へのインタビューに基づき、執筆された本でありますことをここに告白いたします。皆さん!内緒ですよ。

さてさて、予めかしこまりながらも申し上げさせて頂きますなら、前段は“本に書ききれなかったことをエッセイに託します”と言う案内をさせて頂きますのに必要な、序文的な役割をもつもので、決して決して本の宣伝ではなきことをご理解頂きたくお願い申し上げます。

さて、ご理解頂きましたところで連載コラム『迷い』を、つつましくも始めさせて頂きます。

写真:数人の人に囲まれ、ノートパソコンの画面を見ながら会話をしている船後さん

前置き

私はよく、人工呼吸器を着けるまでの心の動きについて尋ねられる。それは恐らく私が、当初人工呼吸器での延命をせず人生をまっとうするつもりであったのに、予定を変更し人工呼吸器で延命したからであろう。その訳を今まで私は、「2002年5月からの入院で、元の主治医が“生き甲斐”をもたらしてくれたから」と、説明をしてきた。

だがここにきて、深く掘り下げ考えてみると、「元の主治医が“生き甲斐”をもたらしてくれたから」と言う延命の理由は、偽らざる事実であるが、それまで燻ぶっていた“生きたい”と言う気持ちに火をつけてくれた、一種の起爆剤でもあったことに気がついた。いやむしろ、起爆剤としての色合いが強い、理由であったことに気がついた。

つまり実は、いつ頃からかは判らないが、心の奥底に“生きたい”と言う気持ちを、知らぬうち私は燻ぶらせていたのだ。

3つの恐怖

2000年5月42歳の時、大学病院で、ALSにより人工呼吸器で延命しなければ、余命は2年であると言う告知を受けた。直後、即座に延命拒否を決めたのは、3つの死をも凌ぐ恐怖とも言える思い、つまり訳があったからである。

1つ目のその思いは、私は最高のビジネスマンになると言う目標、具体的には輸入時計・ダイヤモンド業界最大手の一つといわれていた、勤め先の大幹部になると言う目標を達するための評価を得んと、土日を除く平日は、連日睡眠を4時間ぐらいしかとらず、8年間に渡り年間6億円以上の売上を上げ続けた。結果、社の大黒柱の営業からは外れたが、実は密かに魅力を感じていた業務、PRの責任者となり、年間1億円の予算の中、宣伝をしたり、海外ともやりわたれると言うのはおおげさだが、海外取引先の窓口的立場を得た。

プロフィール

写真:舩後さん

舩後 靖彦/ふなご やすひこ

1957年 岐阜県生まれ

十歳から千葉県へ転居。ミュージシャンを目指すも断念。商社マンとなってバブルを駈けぬける。四十一歳の夏、手の痺れを感じ、翌年春、ALSと診断される。後、麻痺は全身におよび、人工呼吸器装着に至る。絶望し死も考えたが、医師の勧めによりはじめたピアサポートに生き甲斐を見いだし、現在活発に活動中。額の皺を使って操作するパソコンで講演をこなし、自作詩を発表するコンサートも開いている。

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