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開発者インタビュー-VUTEが目指す世界とは

今回は開発元のNTT未来ねっと研究所の中園さんにVUTEについて詳しく伺いました。

目指すは「ユニバーサルコミュニケーション」

聞き手:

まず、VUTEの読み方と由来を教えてください。

中園:

「ビュート」と読みます。由来はVisualized Universal Talking Environmentの頭文字を取ったものです。「視覚化されたユニバーサルな会話を提供する環境」といった意味合いですね。

聞き手:

「視覚化されたユニバーサルな会話を提供する環境」面白い発想ですね。現在デモ版をインターネットで公開している"VUTE2009"とはどんなものですか?

写真:「VUTE(ビュート)」のコメントが作成されたイメージ画像

中園:

サッカー日本代表の前監督だったオシムさんが脳梗塞で倒れたときに救急車を呼ぶまでに時間がかかってしまった、という話を覚えておられる方もいるかと思います。このケースのように、日本語を話すことが苦手な外国人の方がケガや火災にあったとき助けを呼びたくても、「すぐ」「的確に」人に伝えることは難しいでしょう。そこで、絵を選ぶだけでコミュニケーションができるようにしたものがVUTE2009です。現在、インターネット上でみなさんに体験していただけます。

聞き手:

聴覚障害者としても「絵」だけでコミュニケーションができる、ということは興味があります。そもそも「絵」に着目したユニークな発想のきっかけは何ですか?

中園:

「ユニバーサルコミュニケーション」という言葉があるのをご存知ですか?特定の言語や国の違い、文化の違い、さらには障害といったものがバリアとならず、誰でもコミュニケーションがとれるような環境を作ることを目指す、という考え方です。

これを目指すためには、何も知識がなくても、生まれて初めて使っても、まったく迷わず使うことができる環境をつくることが必要でした。そこで、「絵」で状況を説明することを考えたのです。

聞き手:

確かに手話も視覚的にコミュケーションが取れますが、「単語」などの表現方法をお互いが知っていてはじめて会話できるものですよね。実際に聴覚障害の方などに試したことはありますか?

中園:

ろう者の方約15人に操作してもらいました。まず最初に、正しい選択ができて、正しい連絡ができるか調べたところ、ほぼ100パーセント正しい選択が行なわれていました。
また、その人にとって苦手な言語でコミュニケーションを取ろうとするよりも、はるかに速く意志伝達ができることもわかりました。

聞き手:

今は、絵を選択した内容が、最後に日本語になって表示されますよね。英語版はありますか?

中園:

英語版はあります。絵の選択画面はそのまま使えるので、最後の言葉をいろいろな国の言葉に変換できれば、日本の人が海外旅行にいったときに利用できるのでは、と考えています。
このように、どこの国でも、どんな条件でもわかる「絵」にしたところが苦労した部分でもあったんですよ。

聞き手:

どういうことでしょう?

中園:

手話も同じだと思いますが、その国ならではの表現ってありますよね。
たとえば、絵でショックな状況を表すときに、顔の横隅に縦線を描いただけで「がーん」という心理状況を表すことがあります。でも、この方法が初めてみる外国の方に伝わるかどうかはわかりません。ですので、「日本だけ」「特定の国だけ」で伝わる技法は取り入れないように注意しました。また、このように条件の限られた中で絵だけで内容が伝わるようにする部分に非常に心を砕きました。

みなさんの声から実用化につなげたい

写真:中園さん

聞き手:

では、今後の展望についてお話を聞かせてください。

中園:

現在は、VUTEを利用するにはネットにつながったパソコンが必要です。しかし、「いざ」というときに使えないと意味がないので、携帯電話などの持ち運びが可能な機器でも利用できるようにしたいです。
それから、緊急時だけではなく、ほかのシーンでも使えるようにしたいです。まず次は、「切符の買い方がわからない」など駅構内で困る状況を想定して作ろうと思っています。

聞き手:

ますます活用範囲が広がり、楽しみです。この記事を見てVUTEに興味を持った方もおられるかと思います。
みなさんにメッセージがありましたらお願いいたします。

中園:

現在のVUTEは、まだ研究段階のものです。これからこうした研究段階のものが、商品化され世の中に普及するには、実際に使う人から「こんな商品が必要!」という要望を、社会に届けていただくことも重要だと考えています。なぜなら、利用する当事者のみなさんが「必要」であるものと、私たち研究者・開発者がもっている技術がうまく合ったときに、初めて実用化され、社会にもその有用性を認めてもらえると思うからです。

「こんな技術がある」ということをみなさんに知ってもらうきっかけのひとつとして、インターネットで公開することで日本だけではなく、世界中の人にVUTEを使ってもらうことを目指しました。
ぜひ、多くの方にこの機会に利用していただいて、私たち研究者側にはもちろん、緊急時の支援機器を運用すると思われる行政などにも、声を挙げていただければ嬉しいです。そして、そんなひとつひとつの積み重ねが、みんなが使えるユニバーサルデザインの商品やサービスが実用化され、普及されるきっかけになることを願っています。


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