メニュー
ログイン
運営会社について

「ゆうゆうゆう」は、NTTが障がい者の雇用促進を目的に設立した「NTTクラルティ株式会社」によって運営されています。

本文ここから

働く聴覚障害のある方へ伝えたいこと 1/4

2007年5月8日掲載

「聞こえない」事実と真摯に向き合い、多くの方と交流を広げてこられた大石忠さんに、職場での経験談などのお話をお伺いしました。

目には見えないバリアを知って

聞き手:

大石さんは「聞こえない」現実を受け入れながら、長年、(株)日立製作所・宣伝部にお勤めになられたそうですね。その後、(株)日立国際ビジネスパーソネルの障がい者雇用サポートセンタでアドバイザーとしても活躍されていたとお聞きしました。これまで職場で感じてきたことはどんなことですか?

大石:

障害のある方が企業で働く場合、車いすの方でしたら、職場をバリアフリーにするなど、その障害にあった配慮すべき点があると思います。聞こえない人のバリアは、目に見えません。それゆえに、何か問題点があったとしても、見過ごしてしまったり、お互いの思いに温度差が存在することに気付かなかったり、ということがありました。

聞き手:

見えない「バリア」を意識するというのは、難しいですね。

大石:

難しいんでしょうね。きっと聞こえる人にとって「聞こえないことはどういうことか」と想像するのは難しいことなのでしょう。私たち聞こえない人も「音のある世界」というものが、どういう世界かわからないんですよね。

聞き手:

たとえばどのようなことでしょうか?

大石:

以前、こんなことがあったんです。同僚が「○○のお店のケーキが食べたい!」と話をしていました。その方にはいつもお世話になっていたし、これからも困ったときには助けてもらいたい、という気持ちもあって、次の日そのお店のケーキを買って行ったんです。すると、相手の方はびっくりしてしまい「冗談だったのに」と言われました。今なら「冗談」とわかりますが、そのときは真面目に私に言っているのだ、と受け取ってしまったのです。

写真:手振りを交りながら語る大石さん

聞き手:

微妙なニュアンスが伝わりにくいということですか?

大石:

聞こえない人にとっては、目でみる情報が全てですから、相手の方の表情などで判断することも多いです。このケーキのようなケースがある、ということをお互いに知らないと、聞こえる人は「冗談の通じない人」と思い込んでしまい、聞こえない人にとっては、真面目にやったことを笑われショックを受ける、というようなことになります。そういった些細な誤解をなくすためには、お互いに「聞こえない」と、どういう問題が起こりえるのかを考えることが大切だと思います。

聞き手:

「聞こえない」事実を認識する、ということですね。

大石:

私は、小学校の3年生のときに聞こえなくなりました。最初は、やはりショックでしたよ。そんな私に、母が「あなたには耳が聞こえなくても、目が見えるでしょ。足があるでしょ」と言ってくれたのです。この言葉で、私は「耳が聞こえなくなった」という事実を受け止めることができました。自分で現実を受け止めたからこそ「耳では無理でも、工夫をすればきっとどこかで補える」と「どうやったらいいのか」ということを前向きに考えられるようになったのだと感じています。


投稿された内容の著作権は投稿者に帰属します。
投稿のルールは「このサイトについて」をご覧ください。

協賛企業のご紹介

特別協賛企業の製品・サービスのご紹介