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自分の選んだ人生を信じて 1/4

2006年11月28日掲載

高齢者の介護をテーマに執筆活動を行うジャーナリストの小山朝子さんに、ご自身の在宅介護の様子を交え、お話を伺いました。

祖母を救うために決心した「在宅介護」

聞き手:

早速ですが、小山さんの現在の活動内容をお教えください。

小山:

母親と自宅で、84歳の祖母を介護しながら、高齢者の介護をテーマに絞り、ジャーナリストとして活動しています。新聞の連載で介護のノウハウをわかりやすく伝えるほか、ケアマネジャー、看護師、ホームヘルパーなど、介護に関わる専門職向けの雑誌、介護の情報を扱うウェブサイトなどで定期的に執筆中です。介護現場で起きる事件のルポルタージュやエッセイ、単行本の執筆も活動の一部です。また依頼があれば、各地で講演活動を行い、いろいろな媒体でコメンテーターとしても活動しています。

聞き手:

最近、介護への関心が高まっていますが、介護を専門に執筆している方は少ないと思います。活動のきっかけはあったのですか?

小山:

最初は、専門分野を決めず、フリーのライターとして活動していました。転機が訪れたのは、8年前です。祖母がくも膜下出血で倒れ、介護をするために、一度ライターを辞めました。ところが、祖母の介護をする中で、現場の様々な矛盾、疑問に直面し、書き手としてしなければならないことが見えてきたのです。再度、筆を執ることへの怖さや、介護との両立への不安もありました。しかし、介護する家族という当事者である今だからこそ書けることがあると思い、再び執筆の仕事をする決心をしたのです。

聞き手:

現在、お祖母さまをご自宅で介護されているとのことですが、これまでの経緯をお話いただけますか?

小山:

祖母がお風呂に入っているときに突然倒れ、救急車で大学病院に搬送されたのです。くも膜下出血だということがわかり、手術を受け、入院することになりました。後遺症もあり、自宅に帰れる状態になるまで入院は続くだろうと考えていた矢先、ある日突然、医師から「私たちがやるべきことは終わったので退院してほしい」と言われました。今でこそ大学病院には、「急性期」といって、主に発症直後や、症状の変化が激しい時期の治療を受け持つという役割があることはわかります。しかし、当時、家族としてはそのような知識もなく、思いもかけないことだったので、本当に驚いてしまいました。でも、祖母のこれからのことを決めなければなりません。結局、病院から紹介された、一般病床と療養病床(注1)を併設する自宅近くの病院に転院することにしたのです。

ところが、いざ転院してみるとそこでの実態はすさまじいものがありました。床ずれを「おでき」と言って隠されたり、院内感染があったり、別の患者の薬が祖母の枕元に置いてあったことも。何度も何度も、信じられないことが重なって、「祖母を助け出さないといけない」と、再度、転院を決意しました。転院先と決めたのは、高度な高齢者医療を専門に行っている病院でした。しかし、この病院は本来、急性期の患者を中心に受け入れる病院なのです。
そもそも、祖母が苦しんでいる、床ずれや原因不明の発熱、呼吸困難は、療養病床に入院中に起きてしまったことです。それでも治療がなされないままに寝かせきりにさせられていました。「なんとかしなければ」と思う一方で、治療がなされないとはいえ、まがりなりにも「入院中」の祖母を次の病院で受け入れてもらえるのか不安でいっぱいでした。

そこで、転院先の病院の医師に「もしこの病院に入院させてもらえたら、その後は自宅で介護します」とすがる思いで頼み込んだのです。

写真:介護について答える小山さん

聞き手:

転院にあたって、何か準備をされたことはありますか?

小山:

大学病院での手術を経て、次に転院した病院は、「自宅の近所で毎日祖母の顔を見に行ける」という理由で選んでしまいました。ですので今度は「病院をしっかり探そう」と、熱心に情報収集をしました。ライターをしていたので、情報収集はさほど苦にはなりませんでしたね。ある程度情報を集め、病院にいる医療ソーシャルワーカー(注2)に連絡をとって、「入院を考えているので、見学させてください」とお願いして、複数の病院を見学しました。やはり、実際に見ると安心できますよね。

それでも、先生との相性など入ってみないとわからないこともあります。技術も大切だと思うのですが、私たち家族にとっては、話し合いながら治療を進めてくれる先生が一番だと感じるんですよね。結局、祖母が大学病院を経て、療養病床を併設する自宅近くの病院へ転院し、高齢者医療を専門に行っている病院に再転院できるまで、1年近くを要しました。

(注1)療養病床
おもに長期にわたって療養を必要とする人が入院するための病床
(注2)医療ソーシャルワーカー
患者や家族が抱える問題の相談に応じ、援助を行う職業

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