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みんなのためのアクセシビリティガイド 前編

2007年2月20日掲載

ボランティア団体のアクセシビリティガイド実行委員会に所属し、全国から駅とその周辺のバリアフリー情報を収集して、誰もがより便利に、気軽に外出できるように情報提供を行っている萩野美有紀さんに、活動内容を交えてお話をお伺いしました。

アクセシビリティガイドってなに?

写真:笑顔で語る萩野さん

聞き手:

アクセシビリティガイド実行委員会に所属されているとお伺いしました。どのような活動をされているのですか?

萩野:

ホームページ上で、駅とその周辺に関するバリアフリー情報を募集、掲載しています。「みんなで駅に関する情報を集めて、便利な情報を共有し活用しよう!」ということを目的に活動を開始しました。また、キッズイベント等のイベントを開催することもあります。

聞き手:

駅とその周辺のバリアフリー情報とは、具体的にはどのような内容なのでしょうか?

萩野:

ひとくちに駅といっても、出口の数やエレベーター、エスカレーターの設置の有無など、駅の環境はさまざまです。それに、車いす利用の方や視覚に障害のある方などには、タクシー乗り場やバス乗り場の案内、店舗情報などの周辺情報があればさらに便利ですよね。

そこで、独自のチェック項目を作成し、みなさんに投稿していただけるようにしました。駅の改札口の場所や数、エレベーター設置の有無のほか、音声・点字ブロックなどによる案内があるかなどをチェックします。それ以外にも駅周辺の施設、他の交通機関の接続情報などもあわせて記載してもらっています。それらの集めた情報を駅名や路線名などを入力すると、検索できるサイトにしました。

聞き手:

とても便利なサイトですね。どのようなきっかけで「アクセシビリティガイドを作ろう」と考えられたのですか?

萩野:

私は、障害の有無に関わらず、より多くの方に共通して便利に使用できる製品などを紹介する任意団体「E&Cプロジェクト」(現:財団法人共用品推進機構 個人賛助会員の会 共用品ネット)に所属していました。 このE&Cプロジェクトが、97年に障害のある方につ いての理解を深めていただくことを目的に、イベントを開催したんです。会場は交通アクセスもよく、比較的道が広くて歩きやすい銀座に決定しました。このイベントの中で、私は段差の有無や店舗の位置などを調べて地図にしたバリアフリーマップの作成メンバーになったのです。

そのとき、イベントを通してまだまだ、生活の中にある「バリア」について、知られていないことがたくさんあるのだな、と改めて感じたんですね。それで、もっともっとバリアフリーに関する情報を広げたい、と考えるようになりました。

ちょうどその頃、当時の通商産業省(現在は経済産業省)の外郭団体独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)がさまざまなプログラムの開発・普及によるIT利用者の拡大、IT環境の整備を目的にマルチメディアコンテンツ事業を公募していることを知ったんです。こういった事業で、バリアフリー情報を提供してはどうだろう、と考えました。それで思い切って街全体のバリアフリー情報をテーマに応募したんです。

残念ながら、最終審査で落選してしまいましたが、よいきっかけになりました。事業として難しいのなら、ボランティアで「簡単にできることから情報提供していこう」と。ちょうどインターネットが普及し始めたころだったこともあり、投稿型のアクセシビリティガイドを立ち上げることにしたのです。

誰もが気軽に外出できるように

写真:立ちながら説明する萩野さん

聞き手:

萩野さんご自身が、バリアフリー情報について興味があったのですね。

萩野:

出産後、子供とベビーカーで外出したときに、道の段差や階段などが多く「なんて不便なんだろう」と感じていたんです。これは肢体の不自由な方にも共通の悩みではないか、と思いました。また、せっかくエレベーターが設置されていても、その情報を知らなければ、上手に使用することができない、ということに気がついたんですね。

事前に調べることができれば、どこそこまでは電車で行って、その後はバスにしよう、タクシーを使おうとか、対策が取れるじゃないですか。事前にそういった情報が得られれば、肢体の不自由な方だけでなく、視覚に障害のある方などにも便利ですよね。 ですから、視覚に障害のある方にも配慮した「テキストベースのサイトにしよう」と、地図での情報提供は避けることにしました。 そうなると、「アクセシビリティマップ」よりも「アクセシビリティガイド」の方がしっくりくるということで、現在の名前で情報提供しています。

聞き手:

当初は、街全体のバリアフリー情報を想定されていたとのことですが、駅情報に集約して情報提供しているのはなぜですか?

萩野:

一番の理由は、駅は多くの方が毎日利用する交通機関である一方で、どこにどういった配慮がされているか、判断することが難しい空間でもあると感じていたからです。誰でも、気軽に自由にどこにでも出かけられるように、駅とその周辺のバリアフリー情報を集めたいと考えました。

みんなで作るアクセシビリティガイド

写真:アクセシビリティガイドについて語る萩野さん

聞き手:

情報の収集方法は、みなさんからの投稿ですよね。アクセシビリティガイド実行委員会が、調査して情報提供することはないのですか?

萩野:

アクセシビリティガイド実行委員会では調査はしていません。駅は、新しい設備が追加されたり、工事があったりと日々変化します。そういった細かい変化に対応できるのは、いつもその駅を利用している方だと思うんです。各鉄道会社などでも案内がありますが、利用者の視点で、常に新しい情報を共有できる強みをこれからも大切にしたいと考えています。

聞き手:

多くの方に投稿してもらう、というのは大変なことだと思います。活動が広まったきっかけはありますか?

萩野:

実は、私の母が協力してくれたことがきっかけで、投稿してくださる方が格段にふえました。最初の頃、インターネットを使用している人は、ほとんどビジネスマンだったんですね。しかし、実際に地域に密着して、駅に関する細かい情報をもっているのは主婦の方が多いのではないかと考えました。

そこで、母やその友人にも情報の提供をお願いできるように、紙媒体で投稿できるようにしたのです。その後、データ入力のボランティアをしてくださっている方にも郵送してお願いしたりしました。その甲斐あって、99年には40駅でしたが、現在は、1500駅以上の情報を公開しています。

聞き手:

地道に活動されてここまで広がったのですね。その他に、力を入れている活動はありますか?

萩野:

小中学生を対象に、街のバリアフリーをチェックする「キッズイベント」を開催しています。また、私が非常勤で勤めている大学の講義の中で、バリアフリーチェック結果を投稿してもらい、その上でテーマを与え、レポートの課題を出しています。


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