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「災害弱者を救うための防災対策」自治体総合フェア2006レポート

一人ひとりの要援護者に合った、きめ細かな防災対策を

写真:鍵屋氏による基調講演の様子

地震、台風、水害、土砂崩れ、雪害―日本は災害の多い国である。 特に最近では、高齢者などの「災害弱者」が犠牲になるケースが目立つ。 2004年7月に新潟・福島を襲った豪雨による死者は16名、うち13名は70歳以上の高齢者だったことは記憶に新しい。 災害時に援護を必要とする人たちへの対策を考えるために、内閣府では「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」をとりまとめている。

「自治体総合フェア2006」では、最終日に「災害対策・減災セミナー」が開催され、災害時要援護者の避難対策がテーマに取り上げられた。 基調講演では、ガイドラインの策定に関わった板橋区板橋福祉事務所長の鍵屋一氏から、災害時要援護者とは誰のことなのか具体的にイメージできるような解説がなされた。

災害時要援護者と聞かれると、まずは高齢者・障害者を思い浮かべるだろう。 しかし、阪神・淡路大震災のときの犠牲者は、高齢者に次いで、20代前半の若者にも集中していた。 亡くなった理由のほとんどが建物の崩壊だったことを合わせると、引っ越す余裕もなく、昔ながらの古い家に住んでいた高齢者や、お金がなく、安い木造アパートに住んでいた学生といったイメージが浮き上がる。 鍵屋氏は、「地震のときには古い木造住宅に住む人たちが、水害のときには低地一帯に住む人たちが要援護者になる。」と、起こりうる災害を具体的にイメージし、要援護者が誰かを考える必要があることを訴えた。

写真:パネルディスカッションの様子

後半のパネルディスカッションでは、災害時要援護者対策の具体的な課題についての議論がなされた。 山梨県福祉保健部障害福祉課課長補佐の城野仁志氏からは、災害時要援護者に対し、迅速な支援を行うための取り組みについて紹介があった。 山梨県では、一人ひとりの要援護者について、災害時の対応を記した「防災カルテ」を作成するのと同時に、要援護者を優先的に受け入れる「福祉避難所」のあり方についても検討している。 福祉避難所では、視覚障害者をトイレへ誘導するためのロープ、聴覚障害者への情報保障、肢体不自由者のための簡易トイレ、ストレスに弱い障害者のための簡易な間仕切りなど、各障害に合わせた工夫を災害発生後1時間で立ち上げることができる。 また、大災害で孤立した場合、治療が受けられないと生命にかかわる透析患者等のハイリスク者についても、当事者や医療機関等と連携する必要がある、と言及した。

災害時要援護者は、それぞれの身体状況や生活環境により、多様なニーズを持っている。 特に、防災計画の中で身体状況について考えるとき、高齢者や障害者の状況を良く知る福祉の担当者との連携は不可欠だ。 しかし、今回のセミナーの参加者は、自治体の防災担当者が多く、福祉担当の職員の参加はほとんどなかったようである。

まだ自治体の現場では、福祉との連携がうまくいかず、実効的な計画を立てるまでに至っていないところが多い。 今後、内閣府では、福祉と防災の連携へと焦点を移して議論が続けられる。災害が起こることは止めることはできないが、自治体の横のつながりが強化されることによって、ひとりでも多くの人が助かるような仕組みが整えられるようになってほしい。


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