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パソコンは心と心をつなぐもの 1/4

2005年10月4日掲載

東京都世田谷区で高齢者のパソコン利用をいち早く始められた、コンピュータおばあちゃんの会の代表の大川加世子さんにお話をお聞きしました。

会の設立と自立のためのパソコン

写真:談笑する大川さん

聞き手:

はじめにコンピュータおばあちゃんの会の設立についてお聞かせください。

大川:

この会は9年目で、来年の3月でちょうど10年目に入ります。 今から9年くらい前というのは、誰も高齢者とパソコンを結びつける人なんていなかったんです。 周囲は初め、「おばあちゃんがパソコンなんてやるわけないでしょ。」って、あきれていました。 それでも、高齢化社会になっていくわけですから、自立を考えなければいけない。 その時、パソコンという道具が自立を助けてくれると思っていました。 何より、歳を取ると男性も女性も皆寂しくなるんですよ。 男性は仕事を卒業し、女性も子育てから手が離れます。 子どもが成長することはいいことだけど、やはり自分たちは寂しくなってしまうんですよ。 それが本音でしょうか。 それで、一緒にエールを掛け合いながら「一人じゃないよ」、「仲間がいるよ」というような心を癒しあう会にしたいと思いました。

聞き手:

9年前は、おばあちゃんがパソコンを使うというのはなかなか理解されなかったんですね。

大川:

当時、会を立ち上げようとしたんですけど、なにしろパソコンもない、場所もない、先生がいらっしゃるわけでもない、お金も一円もない。 だから、毎日足を棒にして支援をお願いして回るんですけど、いくら努力してもはたしてできるかどうかわからないので、不安でいっぱいでした。 そんな状況だったんですけど、「やりたいな」と思ったんですよ、世田谷の片隅で(笑)。

最初、どこに行っていいのかわからなかったので、近くのボランティアセンターに相談に行ってみました。 入り口のところで「私、パソコンライフを普及するボランティアを一生の仕事としたいんだけど、できるかしら?」って聞いたら、受付の若い男性が「大川さん、ノートパソコン1台持っているでしょ。私も1台持っているから2台もあるじゃないですか。できますよ。」と言ってくれたんです。 そして、隣の茶髪の大学生が「僕、名刺作ってあげるよ。」って、2人で背中を押してくれました。 それが、コンピュータおばあちゃんの会の原点だったのです。

とにかく1人でもいいから来てくれるなら発会しようと思って、世田谷区で借りられる無料の一番小さい部屋をお願いしたんです。 それが、40人部屋だったんですよ。そんな大きな部屋はいらないのにと思ったんですけど、そこが一番小さい部屋だったんです。 区の広報には、「みんなの広場」というのがあるんですけど、2行くらいだったかな、「ちょっと高いおもちゃだけど、皆さんパソコンで遊びませんか?」って載せたんですね。 そして、3月27日の発会の日、朝から雨が土砂降りで、「これじゃあ誰も来てくれないよな。ひとりも来なかったらどうしよう…。」と思って待っていました。 でも、発会の時間が近づいてきたら、傘をさし、杖をつき、後から後から150人も見えたんです。 こんなこと想像もしませんでした!

発会の日に合わせて、パソコンショップの人が、「せっかく発会するんだから何台かノートパソコンを貸してあげるよ。」って言ってくれました。 生まれて初めてノートパソコンを見るおばあちゃんが何人もいたんです。 9年前なんていうのはそんなものだったんですよ。 これがノートパソコンなんだって、初めて見るものだから、 カチャカチャやってなんとか開けて、「パンパン」って手を合わせるおばあちゃんもいました。 「これは仏壇じゃないんですよ。」なんて、初めは大騒ぎだったんです(笑)。 でも、本当に楽しそうで、本当にうれしそうで、初めてインターネットを見て喜んだおばあちゃんもたくさんいました。

聞き手:

皆さんとても関心を持たれていたんですね。

大川:

そうですね。みんな関心があったんです。 きっと世の中のほうが遅れていたんですよ。 おばあちゃんたちがそんなのできるわけないって周りが決めちゃってたんですね。 私たちは、本当はできる、できないということよりは、そうやって世の中から置いていかれるんだろうなって、焦りと不安でいっぱいだったと思うんです。 だから、やってみたい、置いていかれるのが嫌だっていう気持ちがあったんです。

聞き手:

コンピュータおばあちゃんの会という名前の由来はなんですか?

大川:

NHKの「みんなのうた」という番組で「コンピューターおばあちゃん」という歌が歌われていました。 もう30年前くらいでしょうか、おばあちゃんがコンピュータをたたきまくるアニメーションが、とてもユーモアがあっておもしろくて、かわいくて、コンピュータおばあちゃんっていいなって、すごく印象に残ったんです。 それで、NHKにお断りして、「コンピュータおばあちゃん」のネーミングを使わせていただけることになりました。 だから、おばあちゃんが集まってきたから「コンピュータおばあちゃんの会」とつけたわけじゃないんですよ。 会には、おじいちゃんもおばあちゃんもいます。 コンピュータおばあちゃんの歌を気に入った私たちは、会員のみんなで楽しく歌っています(笑)。


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