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二次障害は運命じゃない-シーティング(座位保持)が大切- 1/4

2005年11月15日掲載

アメリカ留学中に事故で障害を負い、自らの体験を活かし欧米の福祉機器を販売されている、株式会社アクセスインターナショナル代表取締役社長の山崎泰広さんにお話を伺いました。

アメリカと日本の違い

写真:談笑する山崎さん

聞き手:

アメリカに留学中、事故で車いす生活になられたそうですが、アメリカと日本のケアや考え方の違いをお聞かせください。

山崎:

私がアメリカで最初に教わったことは、「不平・不満を言うのではなく、提案する。」ということでした。さらに権利を得るためには義務が、自由を得るためには自己責任が必要だということです。これは、アメリカでは鉄則です。だから、ADA法(アメリカ障害者法)のような法律ができたのだと思います。権利の主張だけではできなかった法律です。

それから、ケアについてもアメリカはたいへんよく整備されています。私は事故にあってから、落ち込んだことは一度もありません。だいたいアメリカで障害を負った人は落ち込みませんね(笑)。というのは、障害を負っても、基本的には何も変わっていないと考えられているからです。リハビリが始まって、最初に言われたのはこんな言葉でした。「あなたは何も変わっていません。だから、あなたの持っていた目的も夢も、変える必要はありません。 しかし、障害を負ったことで、今までと同じ方法ではできなくなりました。では、どういう方法を使えばできるのか。方法だけではできないなら、どんな道具を使えばできるのか。さらに重度な障害の方の場合は、どんなテクノロジを駆使したらできるのか。それを考え、あなたの夢や目的を達成するお手伝いをするのがリハビリです。」この言葉は私の会社のテーマであり、講演でもいつもお話しています。

聞き手:

日本とはまったく違いますね。

山崎:

そうでしょう。数年前に、ある講演でこの話をしました。一緒に講演した方が、同じころに、日本でケガをされていたんです。その方はケガをしたときに、「今までの夢や目的をすべてあきらめてください。あなたはこれから障害者として生きていかねばならないんですよ。」と言われたそうです。でも、「障害者として生きていくってどういうことだろう?何が今までと違うのだろう?」と何年も考えたそうです。それから、自分に何ができるのかを見つけだすのに何年もかかり、また、職業訓練施設や道具を探すのにも数年かかったそうです。

アメリカでは、早い時期に告知をします。私の場合、頭蓋骨を陥没骨折し、10日間意識不明でした。意識が戻った3時間後には、「あなたはもう歩けません。車いすの生活になります。」と告知されました。その後で、車いすスポーツの雑誌や情報誌を見せてくれました。アメリカにはそういう雑誌がたくさんあります。「ここには、できることがいっぱい載っているよ。車いすもいろんな会社の車いすが載っているので好きなのを選びなさい」と言われました。まず、自分が好きだったスキーや水泳、テニスのページを見つけ「これからもできるんだ。」と安心しました。その他にもいろんなスポーツが紹介されており、逆に期待感が高まってきました。次に、紹介されている人達の話や略歴などに目をやると、大学はもちろん大学院に進んだり、博士号を取っている人もいました。職業にしても、経営者はもちろん医師や政治家もいました。家族構成を見ると、結婚していたり子供もいます。普通の方法で子どもができなければ、人工授精で授かったケースも紹介されていました。読んでいて、できないことはないんだとわかりました。それが、意識が戻り、歩けなくなることを告知された後の3時間で起こったできごとなのです。さらに驚いたのは、それを受けたのがリハビリの専門病院ではなく、救急病院だったことです。救急病院でそれができるなんてすごいことですよ!リハビリに意欲を向けさせるには、最初が一番大事なんです。

それから、車椅子に乗れるようになった1ヵ月後には、同じような障害があり、同じようにスポーツ好きな大学生を連れてきて、ピアカウンセリング(当事者による相談)をしてくれました。


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