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外資系企業の聴覚障害者に対する配慮の違い―手話で先輩から後輩へ伝える

2008年10月30日掲載

10月23日(木)、念願の某外資系企業へろう者として初めて入社を果たした石丸さん(筑波技術大学OB)は、今まさに勉学中の後輩達の前で自らの体験を熱く語った。

写真:講演の様子

自分が選んだ道に、努力は惜しまない

学生時代から、同社にあこがれていた石丸さんは、「このままの自分では就職できない」と思い、筑波技術短期大学を中退。その後は、プログラマーとして就職し、資金を蓄え、意を決してアメリカ、北欧などへ飛んだ。海外では、様々な人と出会い、交流することで、語学力や文化意識を高めることができた。並行して、自分のスキルを目に見えるものとして表すためにいくつかコンピュータ関連の資格を取得。そして、数ある関門を潜り抜け、ついにこの4月に入社を果たした。

「中退した後のことを考えると不安で、なかなか踏み切れない」という学生からの意見に、彼はこう言った。「自分が選んだ道だから、努力は惜しみませんでした。だから夢を実現できたんだと思います」と。

日本では見られない、外資系企業の聴覚障害者に対する配慮とは?

聴覚に障害のある人を採用したのは、同社にとっても初めてのことだ。採用経験がない場合、日本の典型的な企業では、聴覚に障害のある社員が働きやすい環境を整えるタイミングは入社後になることが多い。時間をかけて、情報保障といった問題を解決しようと取り組むが、なかなか根本的解決に至らず、聴覚に障害のある社員は退職したり、ただ我慢し続けたりすることが多いのも現状だ。

しかし、同社では事前にどのような配慮が必要かを理解し、事前に準備を整えた。入社時から、力を十分発揮できる環境が整っていたため、すぐに業務に取り組むことができた。また、何か問題が起きたら、すぐに対応できる体制が出来ている。

例えば、ミーティングの場では、情報保障の配慮なしでは、聴覚に障害のある社員は、ただ参加しているだけという状況に陥り、発言の機会が得られない。そこで、同社では、文字チャットによるミーティングを行っているとのことだ。

学生から「どのような配慮が必要だと伝えればいいのか分からない」と質問があった。石丸さんは「もっと自分を知りましょう。それでも分からなかったら、世界を見ましょう。日本にない答えは、必ず世界にあるんですから。」と答えた。それを聞いてある学生は、「目の前のことばかりに追われて、なんのために大学に来ているか見失っていた自分がいます。日本ばかりではなく、もっと世界を見てみたいと思いました」と刺激を受けていた様子だ。

先輩と後輩の目の前でのやり取りは1時間ほど続いた。始めの頃は、学生達は手話より口話を使うことが多かった。しかし、石丸先輩のエネルギッシュな手話と身体表現に引き込まれ、後半は、学生自ら手話を使って質問するようになっていた。筑波技術大学は聴覚障害学生が集まる大学であっても、ほとんどが聴者教員であり、口話でのやり取りも増えている現実がある。そのような環境に慣れている学生達にとって、社会で活躍するOB(ろう者)とのこのようなやり取りを学生時代から積み重ねる機会が多く恵まれることを切望して止まない。


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