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福祉起業家を100人育て、障害者雇用のすそ野を広げたい 1/3

2009年7月28日掲載

今回は、福祉起業家の輩出支援などの事業を通じて障害者の雇用創出に取り組んでおられる株式会社福祉ベンチャーパートナーズ取締役社長の大塚由紀子さんに、お話を伺いました。

ふとしたきっかけで福祉の世界へ

写真:微笑を見せる大塚さん

聞き手:

以前は福祉と全く関係のないお仕事をされていたそうですね。

大塚:

大学を卒業後、コンサルティング会社を経て中小企業診断士として独立しました。私は福祉教育を受けたり、障害者とともに仕事や生活をしてきたわけでもありませんでしたから、自分でもまさか障害のある方たちの就労に関わる仕事をするとは思ってもいませんでした。

聞き手:

障害のある方の雇用に関わることになったきっかけは何だったのでしょうか。

大塚:

中小企業診断士の登録団体に加入していたのです。そこにセミナー講師を探してヤマト福祉財団の常務が来られたとき、なぜか登録リストの中から私も候補として挙げられたのです。当時、ヤマト福祉財団の設立者である小倉昌男氏は、障害のある方が作業所で箸を袋詰めする作業や箱を作る仕事で1ヶ月働いても月1万しかもらえていないという現実に、「それは経営の仕方が悪い。ゆるせない」と憤りを感じられていたそうです。そこで、福祉作業所の職員向けに経営セミナーを行っていました。私に小倉さんと一緒に経営のセミナーの講義をやってほしいということでした。
ところが、私は福祉の世界の「ふ」の字も知らなかった。福祉と経営の関係はまったくイメージができなかった。ですから、まず福祉作業所を見学して、もし役に立てることがあればセミナー講師のお仕事をお受けしようと思ったのです。

聞き手:

見学されたときの印象はいかがでしたか?

大塚:

見学先の福祉作業所では、パンやクッキーなどを作っていて、いただいたところとてもおいしかったのです。聞いてみると、大変良い材料を使っていたのですよ。ところが、こだわった材料や商品のウリなどはパッケージには一切書かれておらず、「障害者が心をこめて手作りしました」のシールだけ貼られていました。これでは売れない。しかも、職員の方にどこで売っているのかを尋ねたところ「バザー」のみだったのです。せっかく、良いものを作っているのに、お客様に知ってもらう機会がないことを知り、「もったいない」と感じました。
また、作業所に通っている障害のある方は、障害の度合いにより長時間働けないことや単純作業しかできないという話を職員の方から伺いました。確かに長時間働けないかもしれないのですが、ゆっくりしか働けないからこそ単価の低い仕事では救われませんよね。小倉さんのおっしゃっている「経営が悪い」が良くわかりました。いてもたってもいられない気持ちでした。

聞き手:

それから今の会社を設立するまでに至ったのにはどのような心境の変化があったのでしょうか。

大塚:

小倉さん自身、すばらしい人間性をお持ちの方だったのです。セミナーの活動などでご一緒しながら、彼の経営者としての考え方により深く触れていくうちに、私もいつか小倉さんのような生き方をしたいと思うようになりました。
私ができることは、福祉作業所で行なっている仕事の生産性や付加価値を向上させるためのコンサルティング。これをボランティアではなくビジネスとしてやっていきたいと思いました。

聞き手:

周囲の方の反応はいかがでしたか?

大塚:

もちろん厳しいことも言われました。「考えていることは素晴らしいですね。でも、福祉の世界は非営利だし、大塚さんが株式会社でやろうとしても彼らには受け入れられないですよ」とか、福祉の世界に長い方からは「大塚さんに障害者の気持ちは分からない」とまで言われました。確かに人の気持ちは、障害の有無に関係なく、理解するのは難しいことですよね。


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