メニュー
ログイン
運営会社について

「ゆうゆうゆう」は、NTTが障がい者の雇用促進を目的に設立した「NTTクラルティ株式会社」によって運営されています。

本文ここから

1.中小企業でもできる社会貢献

2009年9月10日掲載

私は、広島市内の料亭「久里川」の支配人である。 大学卒業後、東京の機械メーカーに5 年間勤務したのち、1989年に実家の料亭に入社した。

私と福祉の出会いは1993年のこと。 先代の社長である祖父から「人のためになる事をすれば、商売はついてくる」との助言を受け、地域で商いを営むことへの恩返しから「企業としての社会貢献」を思い立った。 当時、大企業では福祉分野への寄付や人材派遣といった社会貢献活動が活発化し始めていたが、我々のような中小企業にはそのような経済的余裕はない。 そんなことを思い悩む中、「障害者製品のカタログ『僕らのアトリエ』を発行」という小さな新聞記事が目に留まった。 直感的に「物を売ることが福祉になるのではないか」と思い社会福祉協議会へ相談に行った。 社協職員から福祉の実態を知らない私に「まずは福祉の現場を見られては。」とのアドバイスを受け、近所にある障害者共同作業所を訪問した。 そこで初めて「さをりおり」(障害者向けの「はたおり機」で作られた織物)の製作現場を見学した。その時「納得のいく物が作れないと何度でもやり直す姿勢、物づくりに対する徹底したこだわりがあれば必ずその思いはお客様に伝わるはず。」との確信を得て、早速、当店のロビーに専用コーナーを設け、作業所で作られた木工作品やハガキ等の展示・販売を開始した。 これが当時、日本初(?)の一般企業による障害者作業所製品の常設販売となる。

写真:作業所で作ったものがいろいろ置かれている。僕らのアトリエ

その後、マスコミを通じ広島県内で作業所製作品の販売協力店の輪が拡がり、販売協力運動「僕らのアトリエ」(障害者製品カタログ名と同じ)は、中小企業の障害者支援としてマスコミでも話題を呼んだ。 しかし、話題にはなっても肝心の売上はほとんど上がらない。当店は料亭という、物品販売にあまり適 さない場所だったこともあるが、他の販売協力店でも売れゆきは似たようなものだった。 これでは本当の意味での障害者支援にはならない。仕事の合間に広島市内のすべての福祉作業所を回って関係者から製品販売について意見を聞いた。その結果、判ってきたのは作業所での製品製作が構造的に抱えている問題だった。

第一の問題点は販路・資金の不足。販売ルートが確立していないため、いくら作っても売る術がない。売れないので利益も上がらず、多くの作業所が材料費の捻出さえ困難という状況だった。 第二にアイデア・技術力不足。ほとんどの作業所の製作品は、購買者のニーズを考慮しておらず、“お客様不在”の生産であった。また企業からの下請け仕事は、作業者の特性上、納期の早い製品には応じきれない。 そして第三に情報・ネットワークの不足。何を作ればいいのか、作業所側に情報がない。発注する企業側も、作業所にどんな仕事ができるのかが分からない状況だった。 これらのうち、一番深刻なのは「情報・ネットワーク不足」の問題である。 これを解決するには企業・作業所の両方の事情に精通し、商売のテクニックを持つ人が必要であると確信し、この頃から、企業と作業所に加えて行政を仲介する役割を担う「コーディネーター」の重要性を認識し始めた。

プロフィール

写真:森 浩昭さん

森 浩昭/もり ひろあき

昭和37年 広島生まれ。地元大学卒業後、約5年間、東京の機械メーカー勤務を経て、実家の料亭に就職。
平成5年広島市内の障害者作業所で作られる製作品を企業の店頭で販売する運動「僕らのアトリエ」を開始。近年、行政や企業と障害者作業所との連携を数多くコーディネート。

第4回読売プルデンシャル福祉文化賞 大賞受賞
第4回精神障害者自立支援活動賞(通称:リリー賞)受賞
平成20年度 広島市民表彰(市民賞)受賞
社団法人 広島県就労振興センター 理事
広島県共同募金会 あり方検討委員会委員 配分委員 評議員
NPO法人 福祉工房むぎ 理事
社会福祉法人 ひとは作業所 評議員
NPO法人 ふりーす 理事

僕らのアトリエHP  新しいウィンドウが開きます
http://www.kurikawa.com/bokuranoatorie.html

投稿された内容の著作権は投稿者に帰属します。
投稿のルールは「このサイトについて」をご覧ください。

協賛企業のご紹介

特別協賛企業の製品・サービスのご紹介