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1.ろう・難聴学生が大学で学ぶために

2006年4月7日掲載

私は大学院の学生です。講義の私の指定席は、教室の前方の端っこです。私の前には、手話通訳者が立っています。 それは、私がろうの大学院生だからです。「ろう」というのは耳が聴こえないということであり、そんな私のコミュニケーション手段は手話と筆談です。
大学では、講義を受けることのほかにも、教務課に書類を提出したり、奨学金の説明を聞いたり、色々なことがあります。そのすべてに手話通訳者がつきます。

近年、大学へ進学する人が増えてきました。それに伴い、障害がある人たちが大学に入学することも増えてきています。彼らが、大学生活を送ることができるように、どのような障害があるのかに応じて、環境を整えることが必要になってきます。例えば、車いすを用いる肢体に障害がある学生には、学内での移動がスムーズにできるようにスロープをつけて物理的なバリアを取り除くこと。また、目が見えない視覚に障害がある学生には、資料を点字に訳して読めるようにすることなどがあげられます。

では、ろう・難聴学生(聴覚に障害がある学生)への環境整備にはどのようなものがあるのでしょうか。ろう・難聴学生は、音声が聴こえない、聴こえづらいために、音声で話される講義内容を理解することができません。ろう・難聴学生が講義を理解できるようにするためには、講義で話される音声や教室内の状況などの情報を、他の受講学生と同様に等しく受け取ることができるように、保障をしなければなりません。視覚に障害のある学生の資料を点訳することなども含めて、これらは「情報保障」と呼ばれています。

みなさん、自分が聴こえないということを想像してみてください。
そのような状態で、講義を受けると、どうでしょうか。
大学では、教科書を使わなかったり、板書をしなかったりする講義があります。試験範囲や大事なことなどを、聞きもらしてしまうかもしれません。
また、先生が何か冗談を言って、教室内が笑い声でどっと沸わいたとします。当然、あなたにはその冗談の内容が分かりません。自分ひとりだけが分からない。でもみんな笑っている。きっと寂しいのではないでしょうか。もしかしたら、内容がわからなくても、愛想笑いをしてしまうかもしれません。
情報を保障するということによって、ろう・難聴学生は講義を理解することができます。また、講義だけではなくて、その場を皆と共有するということでも重要なことです。

以前は、障害がある学生の入学を断られたり、入学しても大学側は何も支援を行わずに本人の努力に任せたりするということが多かったのですが、1970年代頃から、国や大学の公的な対応が見られるようになってきました。現在は、ボランティアによる無償の支援ではなく、大学が支援にかかる費用を負担して、支援を行う大学が増えています。そのような大学はさらに増えていくでしょう。しかし、すべてのろう・難聴学生が必要な支援を受けているわけではありません。すべての講義に情報保障をつけて学ぶことができないろう・難聴学生は、全国各地にまだまだたくさんいます。

プロフィール

写真:菊池さん

菊池 真里/きくち まり
1979年北海道羽幌町生まれ
2001年筑波技術短期大学(前・筑波技術大学)卒業
2002年ダスキン障害者リーダー育成海外研修派遣生として、アメリカ留学
2006年群馬大学大学院教育学研究科卒業
現在、IT企業勤務


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