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1.テレビや映画の楽しみ方その1

2007年4月10日掲載

いきなりですが、クイズです。
耳が聞こえにくかったり、聞こえない障害を持つ人たち(聴覚障害者)が、よく見る映画は次のどちらでしょうか。
A:日本映画 B:外国映画

答えは、Bの外国映画です。
外国映画が日本で上映される際には、ほとんどの場合日本語字幕がついていますから、聞こえない人にとっては、その内容がわかりやすいのです。でも、日本映画の場合はどうでしょう。聞こえる人が観ることを基本に作られているため、日本語のセリフには字幕がつきません。
いくら日本語が飛び交っていてもその声や効果音が聞こえないので、日本映画はわかりにくいのです。 わかりにくいのですから、お金を払ってまで、なかなか観には行けないですね。これは、趣味や好みによる選択以前の問題なのです。

4月から公開予定のアメリカ映画『バベル』をご存知でしょうか。モロッコ、メキシコ、アメリカ、日本を舞台に、ブラッド・ピット、役所広司らが演じる登場人物が、それぞれの国で、異なる事件から一つの真実に導かれていくという物語。そして、日本人女優の菊池凛子が聴覚障害の女子高生を演じてアカデミー賞にノミネートされた話題作です。
この映画には、彼女が扮するろう学校生チエコが重要な役どころとなっています。日本ロケでは、ろう学校の生徒など約400人の聴覚障害者がエキストラとして参加しました。でも、試写会で上映された日本版では、英語やスペイン語の会話や手話には日本語字幕が付いていましたが、日本語の会話に日本語字幕はなく、試写を見た多くの聴覚障害者から「話が分からない」との失望の声があがりました。
そのため、ろう者を中心に約4万人の署名が集まり、日本語字幕の追加を映画配給元に要請した結果、すべての上映会場で、全編日本語字幕付きにすることになりました。
聴覚障害者が出演していることから、たまたま話題になりましたが、わが国の聴覚障害者は、日本人でありながら、日本映画を十分に楽しめないのが現状です。(『バベル』以外には、日本映画でも公開の際には字幕入りのフィルムを作成して、全国の映画館で上映する作品もあります。ただ、残念ながらすべての作品ではないのと、上映される映画館も限られています。詳しくは各映画会社のホームページをご覧ください)

では、毎日多くの番組が流されているテレビ放送はどうでしょうか。試しに、新聞のテレビ欄を見てください。丸や四角に囲まれた「字」のマークがある番組には字幕がついて放送されています。
どのくらいの割合でしょうか。
一番多いNHKでは、なんと全放送時間の約○○%に日本語字幕がついた放送が流されています。(○○は次回で。それまで、テレビ欄で字幕付放送の割合をご覧ください)

筆者は、東京の(社福)聴力障害者情報文化センター(以下、情文センター)に勤めています。情文センターは、一度放送されたテレビ番組や、映画に日本語字幕を付けたビデオテープを制作し、聴覚障害者等への貸出を行っています。この事業は、もう27年になりました。
このコラムでは、聴覚障害者のテレビや映画の楽しみ方や、情文センターの情報支援、コミュニケーション支援等の事業の紹介をさせていただきます。

プロフィール

写真:森本さん

森本 行雄/もりもと ゆきお

社会福祉法人聴力障害者情報文化センターの聴覚障害者情報提供施設(東京都新宿区)所長。手話通訳士。
1955年岡山県生まれ。

大学在学時に、大学の内外で聴覚障害者との出会いがあり、手話(手話通訳)と要約筆記の活動を開始する。
その後、埼玉県内のろう学校と盲学校に寮母(現「寄宿舎指導員」)として勤めた後、国立身体障害者リハビリテーションセンターで、聴覚、視覚、肢体不自由、内部の各障害の方々の生活支援を担当。その間、県登録手話通訳者や同要約筆記者として活動。
4年前から現在の職場で、聴覚障害者とその関係者への情報提供やコミュニケーション支援等を行っている。

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http://www.jyoubun-center.or.jp/

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