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1.言葉を紡ぐ

2014年1月21日掲載

わたしと「詩」との出会いは小学校3年生、国語の授業の詩の単元でだった。
「自分でも書いてみましょう」という宿題が出て、祖母が庭で育てていたスイートピーの花のことを書いた。花の様子や庭の気配、花言葉まで登場させて書きあげた1篇。
その後も図書室で同年代の人が書いた詩や教科書に載っていた方の詩集を読んだりして、いつの間にか詩はわたしの生活の一部になっていった。

中学2年のとき、卒業生として教育実習にいらしていたのが「ゆきやなぎ れい」さんだった。
彼女はご自分の書いた詩を投稿して雑誌《詩とメルヘン》の新人賞を受賞して処女詩集を出し詩人としてデビューしたばかりだった。
「あなたも詩を書いているのなら投稿してみるといいわ」、彼女のこの一言が肩を押してくれた。
“それまで投稿する”とか“誰かに読んでもらう”など思いも寄らなかったわたしが、彼女と同じ片仮名のタイプライターで自作の詩を10篇《詩とメルヘン》誌に投稿したのは中学3年の5月だった。
10日後くらいに届いた〔掲載通知〕。初めての投稿で自分の詩が雑誌に掲載され、美しいイラストレーターの挿絵がついた「黄昏時」が活字になったのはその2か月後に発売になった8月号でだった。
「言葉を紡ぐ」歓びは青春時代のわたしの大きな部分を占めていった。「詩」は作るのでも書くのでも組み立てるのでもなく、まさに「言葉を紡ぐ」としか言いようがなかった。描くことのほぼ全てが愛する人への想いだった。 ハイネやゲーテの訳詩集に始まり、新川和江や立原道三の紡ぐ言葉に、自分の想いを重ねて胸を熱くした。

写真:風の中のつぶやきの表紙

16歳のクリスマス直前にそれまでにもらったことのないような贈り物が届いた。「第6回詩とメルヘン賞受賞者にあなたが決まりました」という1通の封筒がそれだった。
華やかな授賞式、授与された盾と賞金と副賞の置時計、何より嬉しかったのは翌年の春に処女詩集《風の中のつぶやき》 が出版されたことだった。
憧れていた「ゆきやなぎれい」さんの後輩になることができて、言葉にならない嬉しさを何度も何度も噛みしめた。「少女の時が終わる前に」というまるでアイドル歌手のキャッチフレーズのようなコピーが付けられた無名の少女の詩集は、人気イラストレーター永田萌さんの挿絵のおかげで驚くほど沢山の読者の下に届いた。
あれからどのくらいの詩を書いて来ただろう?もちろん年齢も重ねたし、結婚して子どもを持っていろいろな経験も積み重ねて来た。でも根っこは全く変わらない気がする。「夢見るホルモン」がひときわ強いのではと本気に思っている。
現在の実年齢を普段は全く意識しないで暮らしてしまっている。でもそんな自分が決して嫌いではないのである。

イラスト=女性が案内のポーズをしている所

エリ作 ・ やまぞえみよ画の「食育とバリアフリーの《絵本りんご》」
(定価1260円 用美社 刊 ISBN 978-4-946436-73-4)
お近くの書店に注文いただくか、「セブンイレブン」の〔セブンネット〕からもご注文いただけます。

プロフィール

写真:笑顔のエリさん

ペンネーム

  • エリ

受賞歴

  • 1980年  サンリオ主催  第6回  詩とメルヘン賞受賞

作品歴

  • 詩集
    • 風の中のつぶやき(絵・永田萌)
    • 他6冊以上(サンリオ刊)
  • 作詞
    • あとかたもなく(歌・岩崎宏美)
    • 靴音(歌・五十嵐はるみ)
    • 遥かな時間(とき)を越えて(歌・小嶋康子)  東日本大震災被災者支援CD
    • あっとぐみ(歌・秋葉原の@ほぉーむかふぇ)
    • 他作詞提供多数
  • 楽譜 大中 恩、辻田 幸徳などの合唱

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