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ろう者の可能性への挑戦! 1/4

2005年10月18日掲載

日本ろう者劇団の若手ホープである野崎誠さんに、公演直前の「HANNA」などを中心にお話を伺いました。

「ろう」らしい劇とは?

写真:「きっかけ」と手話で表している野崎さん

聞き手:

最初に日本ろう者劇団に入ったきっかけを教えて下さい。

野崎:

ろう学校にいたころ、文化祭で演劇をやったり、先輩や後輩の演劇を見たりしましたが、楽しかった記憶はあまりありませんでした。演劇は楽しいということを知らず、大きくなってしまいました。たまたま、東京で日本ろう者劇団を旗揚げし、ろうの世界を引っ張っている米内山(よないやま)さんによる演劇があると友人から聞きました。その時に、私は初めて、本場のろう者が演じる「ろう演劇」を見たのですが、とても懐かしく感じました。

私がろう学校の幼稚部時代に、先輩たちが声を出さず、手話で演劇をやっているのを見たことがあったんです。劇名は「ヘレン・ケラー」でした。当時、私は4歳頃でしたが、ちゃんと内容を理解し、楽しかったことを思い出しました。米内山さんの演劇は、あの先輩たちがやっていた劇と同じでした。ちゃんと手話を使い、声を出さず演劇をやるのを見て、その楽しい気持ちがよみがえりました。私はやっぱり演劇が好きなんだなと思ったんです。いろいろ悩んだ結果、決心しました。3年間、働いてきた仕事を辞め、東京に引っ越しました。それと同時に日本ろう者劇団に入りました。それがきっかけです。

聞き手:

初舞台は何の公演だったんですか?

野崎:

初舞台は、自分にも信じられないくらいの役をいただきました。それは手話狂言の謡役(うたいやく)でした。手話狂言は、狂言を手話で表現します。プロの狂言師が手話に合わせて声を出し、同時進行で演出します。

狂言は、650年の歴史の重みがある舞台、能楽堂でやります。狂言のすごいところは、大道具がないことです。単に小道具だけで表現します。空間をうまく利用し、お城、畑、村、町などを手話と呼吸により雰囲気で表現します。遠い目や、近い目などをうまく使い分けます。例えば、そこに木があるように見るとすると、客にも自然に木があると感じられます。それは役者の技術です。私は先輩からいろいろ学んだり、盗んだりして稽古を繰り返しました。

初舞台は千駄ヶ谷にある国立能楽堂でした。ここは狂言では有名な場所です。これは先輩たちのおかげです。

聞き手:

すごいですね!狂言の舞台は普通の劇場と比べてどう違うのでしょうか?

野崎:

能楽堂の空間が怖いんですよ。20年以上、稽古し、舞台に立っている人でもまだ能楽堂の雰囲気に馴れず、楽しむところまでいっていないと言われています。「本当なの?」って思うかもしれませんが、自分も舞台に立ってみたら、確かにそうだったんです。普通の劇場だと、客の顔が見えないくらい暗いんです。でも、能楽堂だと客の顔が見えますから。

写真:「何か」と手話で表している野崎さん

聞き手:

観客の視線が直接、感じられて、怖いということですね?

野崎:

そうですね。他には型の問題もあります。狂言らしくメリハリをつける、または手話の重みをつけることによって、歴史を感じさせる必要があります。例えば、「すぐ」の手話は今の手話ではなく、昔の手話の「すぐ」を使います。普段、自分が使う手話と違いますから大変でした。そのため、ひとつでも間違えたら、狂言の意味が変わってしまいますからね。いい経験になったと思います。

聞き手:

日本ろう者劇団はどういったジャンルを公演していますか?

野崎:

大きく分けて、2つあります。一つはさっきいったように手話狂言、もう一つは視覚幻想演劇があります。つまり、はっきり表すのではなく、日本ろう者劇団は抽象的に表現しています。話を持ち出して、観客に考えさせるように表しています。当たり前のようなことを表すのではなくてね・・・。


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